20171219

■ Dyckia入門_序章 ■

Dyckiaとは
Bromeliaceae(ブロメリア科)  Pitcairnioideaeピトカイルニア亜科) Dyckia(ディッキア属)に分類される主にブラジルに生息する地生種です。地生種=土に根を張って水分や養分を得る

_馴染みのない方は、アロエ、アガベの仲間と間違われがちですが、パイナップルの仲間です。余談ですが、うちの近所のおばちゃん達は何故か、自分の育てているブロメリア科の植物達を「サボテン」と言います。。こんな思いっきり葉っぱで構成されていて形状もまるで違うのに.....不思議です。パイナップルの葉の部分だけ見てみて下さい、ほら、ディッキアに見えてきたでしょ??逆にディッキアばかり見ているとパイナップルの頭を捨てれなくなります(笑)

_Deuterocohnia(デウテロコニア)Encholirium(エンコリリウム)Hechtia(ヘクティア)などの地生ブロメリアは見た目も性質も非常に近い属となっています。ちなみに「エアープランツ」と呼ばれるTillandsia(ティランジア)や、タンクブロメリアと呼ばれるBillbergia(ビルベルギア)やHohengergia(ホヘンベルギア)なども同じブロメリア科の仲間です。LOVEブロメリア!





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Dyckiaの形状
葉の淵に無数の鋸歯を持っており、ほとんどの種はロゼット状に葉を展開します。
下:ディッキアの代名詞 D. marnier-lapostollei
一般的に知られている原種のディッキアで、互生で葉を展開するのは 下のDyckia. estevesii  Dyckia. potiorum という2種で(他にもD.mirandiana D.mauriziae など互生しそうでしない種や sp.(未記載種)で互生する種が存在します)、ほとんどの種は上のD.marnier-lapostplleiのようにロゼット状に葉を展開します。
左:「Dyckia Brazil Constantino氏所有 D. pottiorum
右:互生ディッキアの代表格 D. estevesii


葉の色
多種多様ではありますが、ざっくり分けると、グリーン / 赤〜ボルドー / トリコーム(スケール)が乗った白の3種類が多く、中には斑入りの品種もいます。
左:緑の葉にトリコームの乗った葉が美しい 交配種 D. 'Wasabi' 
右:ボルドーの葉に強烈な鋸歯を持つBill Baker氏の傑作の一つ D. 'Heaven & Hell'
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左:べったりとトリコームの乗ったm-l選抜の美白種 D. 'Grand Marnier'
右:青みがかった銀葉が美しい原種 D. hebdingii (spineless)
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左:トロピカル感漂うD.goehringii x D.goehringii から生まれた斑入り D.'Samed rtp'
右:斑入りディッキアの代表 D.'Dakota'


葉・鋸歯の形状
太葉・細葉と様々ですが、育て方や環境によって同じ親からのクローンでもかなりの差が出てきます。良く日に当ててあげないと間延びして鋸歯もしょぼくなり、本来の姿にはなりません。鋸歯の形は品種によって様々で、密集してムカデの様に生えたもの大きくカーブしたもの、鋸歯にのみ白いトリコームが乗ったものなど形状は多様で、品種を特徴づける重要な要素の1つとなります。鋸歯が密に詰まっていて、大きく育っているものが、美しいとされ人気ですが、元々鋸歯が大きくない品種も多くいますし、個体差もあります。そして育て方で一番変化のある部分でもあります。
左:鋸歯の向きが不揃いな D. 'Bone' cv. of Brittle Star F3
右:細葉&強棘の代表 D. dawsonii  (Bill Baker's Clone
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左:D. marnier-lapostollei (Red spines)  鋸歯がピンクのm-l
右:D. marnier-lapostollei  var. estevesii


株が大きくなると、花茎を伸ばして黄色〜オレンジの小さな花を咲かせます(春先に咲くことが多いです)。その厳つい本体からは想像がつかないくらい小さくて可愛らしい控えめな花です。穂状花序で、沢山日の光を浴びている時期の方が蕾の数も多くなる傾向があります。蕾は一斉には開花せず、下から順に咲いていくのですが、これは自然界でより結実する機会を得るための生存戦略なのだと思います。冬場など日照の少ない時に室内で花茎を伸ばすとひょろひょろで蕾も少なく花茎も短くなることが多いです。逆に夏場は花茎も分岐してどんだけ咲くんだよ!っと突っ込みたくなるくらい咲き乱れる個体もいます。チランジアやタンクブロメリアは成長点から花茎を伸ばすので一度開花すると親株の成長はそこで終了し、ゆっくりと朽ちていくのを待つのみですが、ディッキアは成長点からではなく下葉の間から花茎を伸ばすので開花しても親株はそのまま成長を続けます。同時期に数本花茎を立ち上げる事もあります。

左:D. delicataの黄花 夏季だったので蕾が密集しています
右:花弁を切り落とし雄しべと雌しべがあらわになった状態


繁殖
ディッキアは株元から子株を出します。大株だけでなく、成熟していない株からも子株はポコポコ出てきますが、なかには子株を出さず分頭した株を割る事でしか増やせない品種も存在します。そのような品種は増やすリスクも高いため、子株を出す品種より流通せず、お値段も高騰する傾向にあります。そして、ディッキアの中にはストロンを伸ばす品種も数種存在します。代表格は私の大好きなD.goehringii ですね!!
上:今年日本ブロメリア協会の展示で地生ブロメリア部門で金賞をいただいた D. goehringii です。自分で言うのもだけど、最高にカッコイイー!!!子株に囲まれた姿が最高ですね!

_子株(栄養繁殖個体)は親と同じ遺伝子を引き継いだクローンになりますので、大体親株と同じ草姿に育ちます。直径4〜5cmくらいの大きさになったら安心して外せます。それまでは親株に付けておいたほうが成長は早いです。しかし長い間付けっぱなしにしておくと親の形を捻じ曲げるくらい成長してしまったり、逆に親の葉に押さえつけられロゼットを形成できずかわいそうな姿で株元でうずくまっていたりしますので適度な大きさになったら外してあげましょう。親との接合部分は小さいのでピンポイントで力を加えると、ポキっと簡単に取れますし、慎重にカッターやナイフなどで切り離しても良いです。20℃以上ある季節でしたら直ぐに発根しますので、別の鉢に植え付け湿度高めで管理してあげましょう。

また、ディッキアは雌雄同株なので、開花時に自家受粉して結実することも多くあります。自家受粉した種から実生した株は便宜上その品種のF1と呼ばれ(F1=第一世代 F2=第二世代)こちらはクローン(子株)と異なり多様な顔の個体が生まれてきます。その中から選抜され園芸品種名が付く事もしばしばあります。

追記_学術的には交雑第一世代はすべてF1といいますが、ディッキアの札に見られるF1表記は便宜上「自家受粉株第一世代」を表していると思われます。園芸では一般的に自家受粉の実生株には (Self Seed)と表記されていたり(sib=sibling cross 同じ遺伝子を持つ兄弟での交配・または同一品種の交配 と追記されていたりします。このあたり札の表記をきちんと統一してほしいですね。海外のナーセリーも適当なので、自分も正直何が正しいのか、、、良くわかっておりません。。

ふぅ、写真のサイズを合わせたりしながらだとなかなか時間かかりますね。
序章はこの程度にさせていただきます。読み返すと、、当たり前の事ばかりで、あまりためになること言っていない気が。。。でも、いいんです。序章=おっす、オラディッキア!的な自己紹介みたいなものですから!
どうですか?ディッキアに興味湧いてきましたか?今よりもっと欲しくなってきました??知りたくなってきましたか?次回はいろいろと基本的な育て方など性質をアップしたいと思います。
長文最後まで読んでいただき有難うございましたー。毎度ながら疲れたので後半ダッシュで強制終了すいませんm(_ _)m